AI以降のSEO観測記録― 実績ゼロのブログで検証した1年間

2025年の夏以降、関わっているオウンドメディアにおいて、
検索流入とCVに明確な変化が現れました。

今までのSEO施策を積み重ねても、以前のようなパフォーマンスを維持できない。
これまで「〇〇とは」のような定義系キーワードは、安定した流入源でしたが、
AIによる要約表示やユーザー行動の変化により、「広く浅く」取りにいく構造は鈍化し始めています。

すべてのジャンルが同じ速度で落ちているわけではありません。

その違いは何か。
構造そのものは通用しているのか。
AIの浸透以降、何が変わったのか。

AI以降の検索行動に興味があったので、
個人ブログを立ち上げました。

新ドメイン、被リンク施策なし。広告なし。
設計と仮説だけでどこまでいけるのか。

本業のメディアは私だけでやっている訳では無いので、
すぐに大胆な変更は出来ません。

AI以降の検索環境は個人ブログにとって
有利に働くという仮説を立てました。

1年間で約100記事。
総PV約5万、総報酬約8万円。

マーケティングの理解を深め、お小遣いも手に入れる為、
AI以降の検索環境で、自分の仮説が通用するのかを確かめたかったのです。

見えてきたのは、「SEOが終わった」のではなく、
効く構造が変わり始めているという事です。

この記事では、AI以降の検索環境で何が揺らぎ、何が揺らがなかったのかを整理します。

目次

2025年夏以降に起きた変化

本業では、月間約30万PV規模のメディアと、約10万PV規模のメディアを運営しています。
私の所属する業界は、コロナ禍における副業需要の高まりと共に、数字を伸ばしてきました。

2025年の夏以降のオウンドメディアの数字に変化に私にはかなりインパクトがありました。
検索順位が大きく崩れたわけではないにも関わらず
流入の伸びが鈍化し、一部のサービスではCVが目に見えて落ち始めました。

ブランド力のある主要サービスはなだらかな下降でしたが、
特定の用途や文脈に特化した領域では、流入とCVの両方が顕著に下降しました。

情報発信という分野では、YouTubeやSNSへの流れは以前から続いていました。
そこにAIの登場が重なり、ユーザーの行動変化に拍車がかかったように感じています。

過去数年分のオウンドメディアの状況を数字で管理していたので、
おおよそのPVやCVは予測出来ていましたが、その予測が通用しなくなりました。

「まず検索する」という行動が、以前ほど絶対的ではなくなり、
検索から購入するという消費行動までも変わったのは、衝撃でした。

明確な因果関係を断定することはできません。
ただ、従来と同じ設計を続けるだけでは、パフォーマンスを維持しづらくなっているのは確かでした。

なぜ実績ゼロのブログで検証したのか

本業メディアは、すでに一定の評価と流入基盤を持っています。

しかし環境が変わり始めたとき、私の中でひとつの問いが浮かびました。

AI時代のSEOに対して、自分が立てている仮説は正しいのか。

私の仮説は、大きく3つありました。

ひとつは、AIによる要約が広く浅い情報を代替するなら、
これからは写真やレビューといった一次情報の価値が相対的に高まるのではないかということ。

ふたつ目は、トピッククラスターのような構造設計は、
検索エンジンのアルゴリズムが変わっても、引き続き有効なのではないかということ。

そして三つ目は、特化型ではなく“雑記”という形式でも、
設計思想を持てばどのようにPVが積み上がっていくのかを確かめたい、という検証欲でした。

これらはあくまで仮説です。
正しい保証はありません。

だからこそ、実績のない新しいブログで試す必要があると考えました。

業界に長くいると、短期的に数字を押し上げる方法はいくつも知ることになります。

しかし個人ブログでは、そうした手法は一切使いませんでした。

中古ドメインも使わない。
外部施策も行わない。

あくまでコンテンツと構造だけで、どこまで通用するのかを確かめるためです。

検証結果 ― 機能したもの、機能しなかったもの

1年間、実績のないブログで検証を続けました。

目的は構造の確認でしたが、アフィリエイト報酬も無視したわけではありません。
実際に収益が発生しなければ、仮説が機能しているとは言えませんし、
ユーザー心理を肌で感じる事が出来ません。

テーマは、私が無理なく一次情報を出せる領域に絞りました。
写真付きのレビューを継続できる分野として、ファッションを中心に構成しました。

100記事を公開し、総PVは約5万、総報酬は約8万円。
月1万円を超えるまでに7カ月かかりました。

決して早い立ち上がりではありません。

それでも、テーマを絞り、関連記事を束ねる構造を続けることで、徐々に検索順位と流入は安定していきました。

機能したもの

まず明確だったのは、写真や実体験を伴うレビュー記事の強さです。

実際に使用したアイテムのレビューや、自身の体験を中心に構成した記事は、検索順位だけでなく滞在時間や回遊率も安定していました。

たとえば、パタゴニアのレトロXに関するレビュー記事は「レトロX レビュー」で検索1位を獲得しました。
写真点数を多くし、着用感やサイズ感を具体的に書いたことが評価されたと考えています。

※2026年2月27日の状況

AIは広く浅い情報の整理には強い。
しかし、実際の使用感や主観的な体験までは代替しづらい。

一次情報の価値は、相対的に上がっていると感じました。

次に、トピッククラスターの設計です。

雑記ブログという形式を取りながらも、特定テーマごとに関連記事を束ね、内部リンクを設計しました。
単発の記事よりも、関連テーマが蓄積したタイミングで順位が安定する傾向が見られました。

アルゴリズムが変わっても、構造そのものの有効性は残っている。
これは今回の検証で最も確信を持てた点です。

機能しなかったもの

昨今雑記ブログは難しいと言われますが、
結論から言うと、雑記ブログは難しいです。

個人ブログではファッション系が中心ですが、
「鉄鍋」やIT/AI関連の記事も書いてました。

例えばジーパンの記事が多くあれば、チャンピオンの
トレーナーの記事も検索上位になりやすいですが、
結局は「鉄鍋」やIT/AI関連の記事はずっと下火です。

これはその記事のテーマ自体のSEO難易度にもよりますので、
一概に言えないのですが、ある程度ジャンルを絞った方が
伸びやすいというのを身をもって経験しました。

また、企業メディアでは成立していた手法が、個人ブログでは
ほとんど機能しない場面がありました。

CTAの位置を調整し、視認性を上げ、見た目も整えました。

しかし個人ブログでは、それをやった途端にクリック率が落ちました。

整えれば整えるほど、反応が鈍くなる。
ユニークPVを母数とした場合、20~30%のクリック率だったのが、
限りなく0%に近づきました。

個人ブログの難しさという洗礼を受けました。
信用がないのに、売りを前面に出すと見向きもされない。

そうそうに記事を昔のバージョンに戻し、
クリック率は戻りました。

この経験は一番大きな成果です。

観測から見えた構造の変化

メディア運用を通して感じたのは、検索環境そのものの重心が変わりつつあるということです。

これまで大量のトラフィックを獲得してきたメディアは、その規模を維持すること自体が難しくなってきています。
広く浅く情報を整理するだけでは、AIの要約表示や他チャネルへの分散によって、クリックが発生しづらくなっているからです。

一方で、小規模なビジネスや個人にとっては、チャンスとも言えます。
ドメインパワーが全てでは無くなり、読者に寄り添う内容を丁寧に
積み上げることで、小規模な会社でも戦える余地が生まれました。

AIは広く浅い情報整理を得意としますが、
特定の文脈に根ざした体験や、継続的に蓄積されたテーマ性までは代替しきれません。

「広く取る」競争から、「深く刺す」設計へ。

今回の1年間の検証は、その方向性を裏付けるものでした。
必要なのは、情報量の競争ではなく、文脈の設計なのかもしれません。

流入差から見えた“ブログの認知”

データを比較すると、テーマの集中度による差は明確でした。

ファッション系のレビュー記事は表示回数が2,000前後/月まで伸び、検索順位も安定しています。
関連記事が束になり、内部リンクが集中しているため、ブログ全体が「ファッションブログ」
として認知されている感覚があります。

ファッション領域は競合がいないわけではありませんが、専門メディアや大手企業が完全に支配している市場でもありません。
実体験と写真を積み重ねることで、十分に戦える余地があることがわかりました。
最初から理解していた訳では無いですが、結果的にはブルーオーシャンに近い領域でした。

一方で、ITやAI、回線といった記事は表示回数が伸びませんでした。

エンゲージメント時間自体が極端に悪いわけではありません。
しかし競合は強く、専門メディアや大手企業サイトがひしめいています。
単発で参入しても、構造的に不利です。

このブログは「中年の生活を少し豊かにする」というコンセプトなので
PVが少ないからといって、それらの記事を削ることはしていません。

数字は重要ですが、数字だけで設計するとブログそのもの温かみが消えてしまう気がします。
テーマの軸を持ちながらも、関心の広がりは意図的に残しました。

私自身の生活のアウトプットでどういう反応が見れるのか。
有意義な経験が出来ました。

ここから見えてきたのは、「記事単体の質」よりも、
ブログ全体がどの領域で認識されているかの方が重要だということでした。

検索エンジンはページ単体ではなく、
サイト全体の文脈を見ている。

狭く深く積み上げた領域では戦えますが、
広く強い競合領域では、構造的に埋もれやすい。

特定の領域に絞り、
体験や文脈を積み上げてきた小規模なサイトにとっては、
戦いやすくなったとも言えます。

量で勝てなくても、
軸で勝てる可能性がある。

今回の1年間を通して、そう感じるようになりました。

実際、多くの中小企業のサイトを見ていると、
ドメインパワーがあるのに、必要な施策がされておらず勿体ないケースが多々あります。

しかし今は、広げるよりも、まずどこで戦うかを決めることの方が重要です。

その設計が定まるだけで、
限られたリソースでも戦い方は変わります。

軸を定めることは、戦略というより覚悟に近いのかもしれません。

最後に

アフィリエイト報酬は副産物的と書いてますが、正直に言えば報酬は気になります(笑)。

ただ、それ以上に面白かったのは、自分の仮説が一定の成果を出せた事です。

検索環境はこれからも変わり続け、
AIもさらに進化します。

しかし今回感じたのは、量で押し切れない会社ほど、
設計が武器になるということでした。

大きな予算や大量のコンテンツがなくても、
テーマを絞り、文脈を積み上げれば戦える余地はある。

AIによる大量生成が当たり前になるほど、
誰が、どんな文脈で発信しているかの重みは増していくのかもしれません。

派手さはありませんが、構造を整えることは着実に効いてきます。

今後も、こうした視点で現場と向き合っていきたいと考えています。

個人ブログはこちら

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この記事を書いた人

インフラとコンテンツ設計を行き来するパートタイムのゼネラリスト。
中年とAIの可能性を、現場で検証しています。

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